第24回 人類と気候の10万年史
はい、始まりましたー、趣味としての学問です。
このポッドキャストは、IT企業の経営をやってる谷村と、元社会学選考の新井が、様々な学問分野の本を取り上げて、
日々の生活や仕事からは見えてこない視点を探ってみようという番組です。
お願いしまーす。
【24-1】我々はどこまで視野を広げて予測・対策できるのか?地下から予測する将来の地球【人類と気候の10万年史】
東日本大震災は、災害慣れしている日本人にも衝撃を与えた
しかし、あれは前例があった869年に東北を大規模な地震が襲った
貞観地震
事前に想定できたはずだ、という主張があった
長い視野を考慮すると、世界は違った形で見えてくる
十年は考慮するが、百年もまあ、だが、1000年という時間単位で見た時に、税金から巨額の支出をし続けられるか?
1000年は人間にとっては長いが、地球からしたら一瞬
地球規模のレベルでの話に対策をするのは無理だろう
どのラインに現実的な線を引くか?
これは科学ではなく哲学の領域かもしれない
しかし、そこに科学を通して情報を提供できる
現代は比較的穏やかで暮らしやすい時代
気候変動を扱ってみる
1980年代にアフリカを襲った干ばつは、300万人が犠牲になっている
2020年から再び3期連続での干ばつが続いており深刻な状態
エチオピア、ケニア、ソマリアなどの右側の角部分で、サウジとかの南b
飛行機は100人死んだらニュースになるが、自動車は3日で1万人死んでいるがニュースにはならない
ニュースは出来事の深刻さを反映してない
ただの情報量が多く取り上げたら飛びつくかどうかの話
その意味で気候変動は自動車の方に似てる
有史以降気候変動を研究するのは古気候学と言われる、地質学の分野の一つ
伝統的な古気候学は、数年という単位で意味のある情報を提供することはできず、現代に取ってインパクトのある研究はなかった
しかし、そこに年縞というものによって、1年ずつの情報がわかるようになった
これがブレークスルーになった
福井県の水月湖の年縞堆積物は、2013年から地質年代の世界水準に認定された(年代のメモリのようなもの)
45メートルの厚さがあって、7万年以上もの時間がカバーされていた
年縞は物差しなわけだが、より詳細に含まれているものを分析すると、どういう植生で気候だったのか、などもわかってくる
【24-2】異常気象とは何?地球にとっての正常を気候の歴史を遡り見つめ直す【人類と気候の10万年史】
私たちは気候に何を望んでいるのか?
気候変動を止めよう、という話があるが、異常気象とは何で、正常な起床というのはなんなのだろうか?
イギリスのテレビ番組で、私たちの洗濯機を買って、気候変動を止めよう、というCMがあった
https://gyazo.com/df57966f6f258f9506286f6ee4381c71https://scrapbox.io/files/660aae56ca6e1100248a6319.png
変動幅は10度で絶えず変化しし続けている、どこが正常かはわからない
また、現代は大きな時代スケールで見れば寒冷な時代であり、氷期が終わった後の温暖な時代らしい
温暖な時代というのは良くないのか?
1億年前付近では今よりもはるかに暖かく、北極にも何曲にもいわゆる氷床がなかった
この時代もそうだし、2.5億年まえ(パルム期)も、生態学における多様性と生産性の軸からすると、豊かな時代だったと言える
恐竜といたし、シダ植物の第森林があったし、巨大な昆虫類がいた
もう一つわかるのは、温暖にも限度がある
極地の氷がなくなるほど温暖になることはあるが、海が沸騰することはない
ここには負のフィードバックのメカニズムによって上限が設定されている、という説もある
温暖化が進行する
地球全体で岩石の風化や植物による光合成が盛んになる
待機中の二酸化炭素が消費されて温室効果が弱まる
一方で、寒冷化は時として暴走する
6.5億年まえの地球はスノーボール・アース(全球凍結)だった
雪や氷の白い色は、太陽エネルギーを反射してしまうため、地表が雪や氷で覆われる寒冷化に拍車がかかる
これが正のフィードバックであり、抜け出せない
やむことのない火山活動が抜け出すきっかけになった
火山で出る二酸化炭素などが植物がないので吸収されることなく、温室効果ガスとして溜まっていくことで温まっていった
https://gyazo.com/e93f2124b81de7007e1b539734268ede
もっと詳細名スケールで見ると、温暖期が終わって、振れ幅の大きい寒冷に突入する傾向の中にいる
ここはだいぶ不安定である
https://gyazo.com/4141b1ea40d94072900c6359f58a61c2
もっと細かいスケールで見ると、10万年くらいの周期で温暖期が訪れている
これを見るとベースは氷期であることがわかる
https://gyazo.com/18508d0cb71ef073b4508dc2b88cdfae
この周期は明らかなリズムがある
これを、公転軌道の変化が大規模な気候変動の原因になる可能性を、理論化したのがセルビアの地球物理学者、ミルーティン・ミランコビッチだった
気候変動予測と、人間がどっちも信じた事実、天気予報と同じように付き合うにはどうしたらいいか
【24-3】気候は予測できるか?寒冷期と温暖期のサイクルの法則性を考える【人類と気候の10万年史】
グリーンランドの気候データ
https://gyazo.com/c327f648a6310c486a0abb60b6b9357f
氷床というのは、雪が降り積もって固まったものなので、ボーリングして含まれている微生物などを分析すれば、過去の気候変動の様子を連続的に分析できる
1960年代から氷床分析がはじまった
暴れている時代と温暖の安定期のコントラストがすごい
見てみると、過去6万年の間で、17回も温暖期が到来している
海底の情報はただの寒い時代だった
DOイベントと言われる
解明できてない、海流などの影響と言われているが
規則性を見出そうとする試みは全て不成功に終わっている
単純なモデルが当てはまる温暖期と、当て嵌まらない氷期が混在しているが、この切り替わりもわからない
ミランコビッチ理論の限界
確かに単純なモデルで記述できるものも世界には存在する
厳密にみると、地球の公転も単純な運動とは言い切れない
月や他の惑星との間の重力も軌道に影響を与えるし、潮の満ち引きでの海水と海底の間での正篤はエネルギーを消耗して、月を地球から遠ざけるし、マントルの対流も重心位置を変化させるし、隕石も公転軌道から押し出そうとする
ミランコビッチ理論を用いた過去の地球の状態の計算は、数百万年前までは概ね問題ないが、それ以上になると誤差が発散する
カオスを発生する
1000年間全く狂わない時計が存在しないのと同様に、あらゆる未来予測には適用限界がある
カオスほどではないが明らかに複雑である
ミランコビッチ理論だけだと、振り子と同じくらい単純な構造になっているが、二重振り子になると途端に予測不可能になる
コンピュータを使った全く同じ条件でやればいけるけど、本当に微細な変化で動きが全く異なってくる
二重ふりこほどではないのは確かだが、単純な振り子よりも複雑な系であることは確かである
200個のボールを使って、少し気候変動に近いような実験をしてみた
https://gyazo.com/a80ec4971dcf324e6b240ff47984f915
実はミランコビッチ理論は、以下の3つに影響されている、という話で、これは事実である。
公転軌道の10万年サイクル
地軸の傾きが発生する4.1万年の周期
地軸の向きが円運動する2.3万年
ミランコビッチ理論は影響していることは確かだし、安定層、周期層、乱雑層などもあることは確かであることはわかっている
しかし、予測不可能なタイミングでのダイナミックな変化があることも確かである
この状況を受け入れた上で、研究という形で継続して挑戦していく必要はあるし、子の中で我々は気候とやっていかないといけない
【24-4】気候学のタイムマシンが福井県に?理想の湖水月湖から始まる気候研究【人類と気候の10万年史】
今後の100年は相転移時代になり、同じような温暖期というのは1.5万年まえには東京がフィリピンのマニラに変わるほどだった。海面も20メートル近く上昇している
https://gyazo.com/67810ef3a1e29e7b52b4f729d41dbc27
IPCCの予測で全くこれまでとは違う時代に突入する
気候は大きく変動する可能性をいつでも持っている
湖底を目指す
グリーンランドはデータとしてはキングであるが、我々が過ごすような環境はどのように変わるのか、というのはわからない
海底のデータに関しても同じである、辺境である
人間が済むような場所の気候変動や状態を詳しく知りたいのであれば、我々の近くの自然を分析する必要がある
グリーンランドは何万年と同じように誰にも手をつけられずに蓄積していた
海底も同じ
しかし陸上は植物や虫などにどんどん荒らされていて、地層は荒らされている
そこで湖に注目している
周囲よりも低く、水が溜まっていて、荒らされる可能性が少ない
海と同じように古くから地層が溜まっている
理想的な湖とは?
長い時間をかけて静かに溜まっている湖、行儀良く積み重なっている状態
がっかりする場合
砂利や砂といった層が頻繁にある場合
洪水や山崩れなどで一気に厚くたまるので参考にならない
また、勢いよく入ってくると、下の地層も荒らされる
地底を荒らす生き物がいる場合
湖が思いの外若い、頻繁にひあがってしまう場合
人間による浚渫
湖は船で利用することが多いが、堆積物があると船が擦れちゃうので、地底を掘ることがある
福井の水月湖の素晴らしさ、理由、実際の縞模様
上記を避けることができてたのが福井県の水月湖
https://gyazo.com/3806ca3a1bc09bc5240498ed3f32a360
周囲に集落がない
たった一本のはす川から、ミカタコに入って、そこから水月湖にはいる
水月湖に届くのは、運動エネルギーを失った汚れ水だけ
湖底に酸素がない
そのため生物がいない
バクテリアにはいるが、地層をかき混ぜるのは無理
なぜ?通常の湖の底はなぜある?
プランクトンが光合成をしたりするので、酸素が発生しており、それを湖底に運ぶことで存在する
嵐でかき混ぜられて、数メートルはかき混ぜられる
しかし、34メートルの推進があるので、それも無理
もしくは湖面近くの水を冷やす、秋や冬で起こることが多い
湖底にすでに重い水があるので、入ってこないため
人間が作った水路によって海と繋がっていて、塩分を含んだ水がそこに溜まっているので、どんなに冷えても入ってこない
江戸時代に作ってあった、それまでは淡水湖
氷期には、海面自体が100メートル低いので、陸から海に移動していたので、水月湖は山の上にあったので、湖底に海水は入らないはず。
気温が重要
今は15度くらいらしい、氷期では10度低いので、4度くらいだった
水は珍しく4度が一番重いらしいが、湖底自体もずっと4度だったので、どの水も入ってこれなかった
【24-5】自然にくる氷期で暮らすか、温暖化により温度が保たれた気候で暮らしたいか。数万年前の地球環境を予測してその後の暮らしを考える【人類と気候の10万年史】
その後世界標準に(4章にある)
https://gyazo.com/642e7254cfb1b18cddd5d62a421a1c9e
この縞模様が堆積物として素晴らしいデータである状態
しかも黄砂とか季節ごとのバクテリアや水の温度などによって、バラバラな層を作る
45メートル、7万年の年縞が溜まっている
普通は埋まってしまうのに水月湖ではたまらない
1年で0.7mm、1000年で70cm、1万年で7メートル、と溜まっていって、水深が浅くなる
ので、生物に荒らされ、いずれ干上がる
どうして?
20万年前に太平洋プレートがユーラシアプレートに入り込もうとする力で、ミカタ断層が生まれた
しかし、これによって埋まるのより早いペースで地盤が下がっていくので堆積が続いている
花粉に着目して見えてきた景色、その着眼点(5章)
https://gyazo.com/405842935b6327083495840f257b66bb
気候を分類するのに、気温もそうだけど平均をとっても夏と冬で全く違うのとずっと一緒なのでは全く違う、降水量とかもいろんな情報が必要になる
これを全パターン作ると膨大になりすぎて、分析の意味もなくなり、気候を考えるには複雑すぎる
そこでケッペンは植生景観をもとに世界の気候を分類した この着眼点が面白い
この植生景観を推察するのに使えて、かつ、堆積物にたまるのが花粉
動物、植物の化石を分析するというのは一般的だが、なかなか見つからない、運が必要
花粉分析と呼ばれる
花粉症の人はわかると思うが、花粉は大量にあるし、非常に遠くまで飛んでいく
花粉の膜は紫外線など色んな外部刺激から守るためにとても頑丈
樹脂の構成や割合がわかるので、これは植生景観がわかると言える
だけど、手動で1サンプルあたり1時間かかるので、同位体分析などに押されて、存在感が薄れつつあるらしい
花粉分析の結果
https://gyazo.com/46b3cd79c80ac964b573393b5ea26e30
今よりも自然に多くなっていた時期もあったらしいので、江戸時代末期の植林だけのせいとも言えない、別に不自然ではない
杉を見てみると、南極の気温、それに影響を与えていると言われている地球の公転軌道の形と対応している
そして杉がないときに別の植物が繁栄している
それとは別に、2.3万年周期の杉、それが生えてないぶなの時期、などのが存在している
降り注ぐ分配のパターンが変わっている、日本とオーストラリア
https://gyazo.com/8c222fcd3d0fb72628d988773527db17https://gyazo.com/308b7a15e658bf54644a1d66a2c5fd3b
しかし、最近は公転軌道が円運動に近くなってきているので、そうなると上の変化はなくなっていくかもしれない
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では気候はどう変わった?(第6章)
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最終的にはデータを出す必要があるので、モダンアナログ法を使って、植生が類似している現代の場所を複数参考にして、その当時の気温や降水量を予測する
これを使って推定した温度変化の図
人間が氷期の到来を遅らせている可能性がある
8000年前くらいから、日射量が減ってるのに気温が異常に高くなっている
この原因を人間に求めているという説
二酸化炭素、メタンが、ミランコビッチ理論と大きくずれて増えている
アジアの水田農耕の普及、湿地に似た環境を作り、メタンが発生
ヨーロッパ人による森林破壊、光合成速度が低下
https://gyazo.com/3cfa763ef704e9f514e036603852f055
ラジマン教授は、100年の話ではなく、8000年前から人間がやっていたという主張である
だとしたら、我々は氷期の到来を防いでいたことになる
我々は、自然にくる表記の中で暮らしたいのか、暖かく保った気候で暮らしたいのか、は哲学の問題
明確にわかったことは、氷期の終わりには非常に不安定になり、その不安定突然終わって安定で温暖な時期になる
https://gyazo.com/77116d9c9d4a20ad772a698895fbbd2a
【24-6】農耕による定住革命は進化ではなく選択?激動の気候史を知恵で生き抜いてきた人類【人類と気候の10万年史】
ここまでの分析を用いても、今後の予測を正確にすることは難しい。しかし、過去の祖先が氷期などの不安定な時代にどのような知恵を使って生活していか、を調べることには意味がある
1993年の夏は結局梅雨がなく、そのまま秋を迎えた
夏がなかったことで、全く米が取れなかったというところもある
これによって日本は米の輸入を解禁した
これが1991年のピナツボ火山(フィリピン)と言われている、200,300年に1回のレベル
気象を動かす圧倒的な要因と言われている
昔から備蓄食料は持っていたし、日本もそう
農水省は、通常の不作が2年連続したとしても耐えられる量ということになっている
収穫のうち4%が備蓄にまわsれて、消費量の1割強の備蓄
通常程度とは作況指数は94だが、1993年は74だった、圧倒的にこえていた
これが2年続いたら、深刻な混乱、飢餓状態になっていた可能性がある
しかし、1980年代のアフリカの干ばつは4年続いたし、マヤ文明は9年に6回、天明や天保(1883年)の大飢饉も5年以上冷夏が続いた
実際、全世界の火山活動が気候に影響を与えることが知られている
その意味で、現代社会の基盤は非常に脆弱である
農耕は進化の結果ではなく、環境への特化の結果であり、始められなかったのではなく、始めなかった
農耕が始まる上で最も重要なのは、安定性だった
氷期からやられていた、と言う話があるが本当か?
アブ・フレイラ遺跡で見つかった栽培植物の種子の化石は、1.2万年まえくらい
しかし、グリーンランドのやつからすると、1.1650万年前
しかし、他の場所では氷期にはやってなくて、氷期が終わってから始まっている
いろんな説
温暖なところのマニラでは流石にできたはずだが、やられていなかった
人口が少なかったから生物資源が豊富だったので、狩猟採集でいけてた、という説を言う人もいる、だから農耕が必要じゃなかった、と
まだその発想がなくて、農耕の発明があってからそれが広がった、と言う農業革命や、定住革命といった話もある
現代の我々に優越感を与える
本当に氷期からできたのにも関わらず、人口が少なくそれを増やすこともしたいと思わなくて、それをできる農耕と言う発想がなかったのか?
人間が手を加えたものと、自然の違いは多様性
https://gyazo.com/ae6eb12a59f8e5f450725254817c8ba4
農耕をやるなら、1種類にすれば管理も楽になるし、密度を管理して最大効率にしたい
氷期の不安定性が影響ある場合の植生とライフスタイルごとのリスクを見てみよう
https://gyazo.com/bcd8245b20fab37eef272cb191e88d3a
左の方が効率がいいのは確かだが、右は圧倒的な多様性がある
安定期の場合
農耕でも10年に1度の干ばつや冷夏程度であれば、備蓄をすることで耐えられる
狩猟採集の場合は、量は少ないが異常気象であっても、普段食べているものがなくても冷夏の場合に増えるものを食べることで乗り切れる
https://gyazo.com/8fb06dd65fac21b27a0c72edd12d3184
不安定な場合(氷期の末期など)
狩猟採集は、安定の場合と同様に、その時に繁栄する植物を食べればいい
凍ってしまうような場合でも移動できる
農耕は、不作が続くと、備蓄では耐えられず、餓死者が出るような飢饉が発生する
生活としてはかなり不安定になる
https://gyazo.com/2d9fc769c746be9299563774e5ccfc72
tanimutomo.icon 農耕というのは安定期に特化した生活形態という話であり、直線的に農業革命があって進化してきた、というのはあまりに傲慢である。これは三体の中のゲームでも似たようなことが見て取れるはず
氷期を生き抜いた私たちの遠い祖先は、知恵が足りないせいで農耕を思いつけなかった哀れな原始人ではない
彼らは合理的に賢明ではいと判断して、氷期が終わるまで農耕を始めなかった
我々は愚か者の子孫ではない、常に賢明で大陸全土に分布するほどのバイタリティを持った偉大な冒険者の子孫なのだ
【24-7】予測できない次の時代を生き延びるために。多様性と相互作用の重要性【人類と気候の10万年史】
安定で暖かい時代はいつか終わる
すでに1.6万年経っていて、過去3回は数千年だった
4回前は2万年続いたが
温暖化が氷期を先延ばしにしているという研究者もいる
もしくは人間の温暖化が乱期突入の引き金を引く可能性もある
氷期が来たら今の農業を基盤とした社会は見直しを迫られる
諸説あると言われているが
経済対策日本といえども決して無傷ですまない
農耕と、狩猟だと、20-100倍の人口差がある
狩猟にするなら、氷期の終わりに5-100万人だったと推定されてて、今世紀末で100億人なので、1000-10000人に1人しか生き残れないことになる
tanimutomo.icon この環境って、三体に書かれてたゲームの中の世界であり、三体世界の話と同じだよな。 人間は適応に対する潜在能力の可能性
恐竜は現状の環境の中に特化して進化しすぎた
一方、哺乳類の祖先は、適応力だけで生き延び、繁栄した
しかし、社会全体で見ると、現状の安定期に特化して肥大化してしまった恐竜とも言える
けど、個体としての変化は何もなく、何にも特化していない、その代わりに抽象的な思考ができる大脳と器用な手がある
100億人いるから逆に、その中にいろんな知恵を持っていた人がいる
思いがけない時代を生きる知恵は思いがけないところから見つかる
乱気で不作の時に、日本人がアマゾンの先住民に教えを乞うことだって荒唐無稽な話でもなくなる
我々は無意識のうちに、進んだ科学技術で大きな商品価値を生み出す国を先進国と呼び、まるで文化も歴史も尊厳もすべて、経済という船に付随する飾り物に過ぎないかのよう
しかし、先進国に生きる我々が先を進んでるように感じられるのは、現代の気候がたまたまライフスタイルに適合している、というだけ。
つまり、そこに特化しているだけで、変化には非常に脆い存在であると言える
人間や社会の価値を、現状における効用だけで測ることは極めて危険だが、人間は歴史を通してそれをやってきた
全体主義国家は、短期的な経済成長とか、軍事力の拡充だけを目標に据えて、社会の多様性を圧殺してひたすらに効率的な生産体制や指揮系統にしていった しかし、戦争のような不測の事態の連続でおる状況には対応できる能力を欠いてしまっていた
初期の国家建設のために政府による計画的な大規模投資をやるのは有効
しかし、そのまま目先の目標に集中しすぎると、多様性の中から生まれる柔軟で大胆な創造力を活かすことができず、頭打ちになる
上記2つが、大戦、冷戦の勝者にならなかったことは単なる偶然ではない
不測の事態を生き延びるには
必要な知恵は、時間をかけて想定し対策することではない
運動方程式を解きまくっても、テニスボールを打ち返すことはできない
tanimutomo.icon 個人的には経営にも同じことが言えると思う。特定の事業に特化すると、環境が変わった時につぶれるからこそ、両利きの経営、では足りないくらいにさまざまな多様性という可能性を内包し、いつでもそれが花を咲かせれる状態が必要なんだと思う。オスマン帝国の衰退も同じこと。 必要なのは、
個人レベルだと、想定を超えて応用のきく柔軟な知恵とオリジナリティ
社会のレベルだと、思いがけない才能をいつでも活躍させることのできる多様性と包容力
100億というのは人間の大脳を構成する神経細胞の数に匹敵
人間はこれまで宇宙の構造にまだ迫ってきたわけだ
であれば、これらの人間が相互作用した時に生み出すことができる知恵の数も無限なのでは
そもそもこれまでの研究も相互作用の結果
そのネットワークの末席に、古気候学者として連なっていこうと思う
tanimutomo.icon アレントの言っている、行為の相互作用の可能性というところと同じだよね。これなんだよな。